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1986 年度 実績報告書

セラミックスのX線残留応力測定と強度評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61550055
研究機関京都大学

研究代表者

田中 啓介  京大, 工学部, 助教授 (80026244)

研究分担者 中川 平三郎  京都大学, 工学部, 助手 (50033345)
キーワードX線応用測定 / セラミックス / 残留応力
研究概要

1.多結晶アルミナのX線的弾性定数を、ReussモデルおよびVoightモデルを使い単結晶の弾性定数より算出した。前者のモデルによるヤング率EおよびE/(1+υ) (υ=ポアソン比)は、回折面により異なり(146),(1.0.10),(220),(4.0.10)の順に小さくなった。後者モデルによる弾性定数には回折面依存性がなく機械的な値に等しい。
2.純度99%の焼結アルミナに関してCrKα線を用いて(1.0.10),(220)面、CuKα線を用いて(146),(4.0.10)面のX線弾性定数を実験的に定めた。その結果、X線弾性定数の回折面依存性の大小関係は理論と一致したが、測定値の方が絶対値は小さく気孔の影響が認められた。
3.シンクロトロン放射光を用いて同様な測定を行ない各X線弾性定数測定値は通常の平行ビーム法にほぼ一致した。ついで(146)面に関しては96%,92%アルミナについても測定をしたが純度の低下とともに減少した。材料中の気孔あるいは異相のX線弾性定数に及ぼす影響に関して、今後の詳細な理論的実験的検討が必要である。
4.常圧焼結窒化ケイ素に関しても、CrKα線(411)面,CuKα線(323)面のX線的弾性定数を実験的に求めたが、これらの値は機械的測定値より大きい。
5.窒化ケイ素の各種条件の研削面残留応力を測定した。残留応力は、砥石の粒度が大きい方が大きな圧縮となり、しかも研削方向に垂直な方が大きい。残留応力が内部方向に分布を有することが、侵入深さの異なる2回折面に対する残留応力測定によって明確となった。表面残留応力が圧こんによる表面割れと密接に関係していた。今後他のセラミックスへのX線残留応力測定の応用とともに、破壊強度に及ぼす残留応力の寄与度を破壊力学をもとに定量的に評価することが必要である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 田中啓介: 材料. 35. 749-754 (1986)

  • [文献書誌] 田中啓介: 日本材料学会第35期学術講演会前刷. 35. 307-309 (1986)

  • [文献書誌] 田中啓介: 日本材料学会第23回X線材料強度に関するシンポジウム講演論文集. 23. 185-190 (1986)

  • [文献書誌] 田中啓介: 日本材料学会第23会X線材料強度に関するシンポジウム講演論文集. 23. 197-201 (1986)

  • [文献書誌] 田中啓介: 応力・ひずみ測定シンポジウム講演論文集. 19. 25-28 (1987)

  • [文献書誌] 田中啓介: 日本機械学会第64期総会講演会. 64. (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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