研究概要 |
以前からの当研究グループの研究で【Si_3】【N_4】粉末の三次元圧縮試験100〜300MPaの応力範囲での成形の構成式を求めた。しかし、セラミック粉末は通常比較的低い圧力で成形されること。また、セラミック粉末の場合10〜100MPaという応力範囲で二次粒子の再配列から破壊への遷移が起り、加圧力と圧力の関係に変化が現われることなどが示唆されている。したがって、このような低い応力範囲での構成式を求めることが重要である。また、【Si_3】【N_4】粉末には通常焼結助剤が添加される。そこで、低い応力範囲で試験をするための高感度の測圧ピンを新に試作し、焼結助剤を添加した【Si_3】【N_4】の三次元圧縮試験を行った。その結果全体として、同一の密度比の成形体を得るのに必要な応力は、助剤を含まない【Si_3】【N_4】に比べてかなり低くなることが明らかになった。構成式は、基本的には両者で同じであり、成形条件式を示すと。 (3/2)oij oij+【(οm/f)^2】-【(】ο!-【p^n)^2】=0のようになる。ここにfは密度比pのみの関数であり、f=1/a【(1-p)^m】で表される。【ο!-】n,aおよびmは実験から決定される定数である。本紛末の場合、【ο!-】=84330MPa,n=9.22,a=1.118,m=0.44となった。この一組の定数で10〜100MPaの範囲の成形条件式を表すことができた。 以上の三次元圧縮では、成形中応力比が一定のもとで成形が進行する。本年度には、成形途中で応力比が変化するような成形を行うべし工夫を加えた実験も試みた。しかしながら、その方法はうまくいかず、応力比が変化した後の応力測定に大きく誤差が入ってくることが明らかになった。したががって、この種の実験は残念ながら断念せざるを得ない。来年度は、求められた構成式を用いての密度分布・応力分布を求めることを試みようと考えている。
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