研究課題/領域番号 |
61550081
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
谷村 真治 阪府大, 工学部, 助教授 (30081235)
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研究分担者 |
五十鈴川 浩児 大阪府立大学, 工学部, 助手 (50081279)
岩田 耕一 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (20081242)
井垣 久 大阪府立大学, 工学部, 教授 (20081234)
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キーワード | 衝突 / 衝撃荷重 / 塑性 / 衝撃力 / 接触 / 凸状端 / 円すい形状 |
研究概要 |
衝撃荷重が作用するときの、機械等の破損の防止や耐衝撃設計のためには、二物体衝突時の衝撃接触端の変形挙動およびそこから発生する衝撃力を予測することが重要となる。本研究年度では、その研究計画にそって、種々の凸状端形状(截頭円すい形状)の衝突棒を長さ2mから0.2mまで、0.2mづつ変化させて製作し、これらを弾性壁面へ衝突させる方式の実験を行った。その衝突速度は、機械等に実際に物体が衝突するときの頻度が高いと考えられる約10m/s以下の低速度衝突域とした。衝突棒の先端(衝撃端)から発生する衝撃力波形の測定は、当研究室で開発した検力板衝撃端力測定法で行った。得られた主要な結果を要約すると次のようになる。 1.衝撃端での変形部の形状はほぼ円すい台状となり、その先端頂角θ'は変形前の先端頂角θのみに依存し、衝突速度や棒長には依存しない。 2.衝撃端の変形部の体積は、短い棒の場合(棒長L≒0.14m)以外は、衝突前に衝突棒が有していた運動エネルギと比例関係にある。 3.発生する最大衝撃力Fmaxは、長い棒(L=2m)の場合は変形前の先端頂角θが大きいほど大きくなるが、先端直径【d_1】にはほとんど依存しない。棒長を変化させるときは、Lの増大とともにFmaxは直線的に大きくなるが、その増加のしかたは【d_1】にはよらずθのみに依存する。 4.変形持続時間Tは棒長Lの増大、頂角θの減少、また先端直径【d_1】の減少とともに大きくなる。除荷時間【T_u】はLの増大とともに直線的に大きくなるが、θと【d_1】には顕著には依存しない。 さらに、このような基礎的実験結果を蓄積すること、およびそれらを基礎として、衝突棒長が広範囲に変わるときの衝撃端から発生する衝撃力波形を統一的に予知し得る理論関係式を発展させることが、次年度以後の研究展開の主要な点であると考えている。
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