研究課題/領域番号 |
61550085
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研究機関 | 福井工業大学 |
研究代表者 |
菊川 眞 福井工業大学, 工学部, 教授 (90028887)
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研究分担者 |
城野 政弘 大阪大学, 工学部, 教授 (20029094)
北山 誠二 福井工業大学, 工学部, 講師 (70169887)
吉田 宏 福井工業大学, 工学部, 教授 (70166966)
小沢 康美 福井工業大学, 工学部, 講師 (90160861)
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キーワード | 疲労き裂 / 進展機構 / 走査電顕 / 其の場観察 / 画像処理 / き裂先端開口変位 |
研究概要 |
一方向性けい素鋼板の大気中の疲労き裂進展試験とそのフラクトグラフィーについては12月末に油圧サーポ試験機が設置されたので大形試験片により、10^<-10>m/cycleから10^<-5>m/cycleの広範囲にわたり、圧延軸直角方向とともに圧延軸方向の繰返し引張試験(R〓0.1)を行なうことができた。前者については真空中とのき裂進展速度の相違、10^<-6>m/cycleを超える高レベルではストライエーションは20μm程度の副結晶粒と思われる領域に分れること等を見出し、特に圧延方向負荷時には0.3mmの薄板で面外せん断の可能なすべり方向があり、破断延性が大きく降伏点が低いにもかかわらず、シャーリップを含めModeIIIき裂進展は最後の前面降伏まで認められず、高レベル(20,MPa√<m>以上)で全面に脆性ストライエーションを生じ進展速度が急増し10^<-5>m/cycleに到る興味ある新知見を得た。ストライエーションは表面に到達しているようで電界放射形走査電顕内で其の場観察によりこの過程の定量測定を試みたが、電顕内での小形試験片ではこの領域が狭いこともあり成功にいたらなかった。大気中で少し大きい試験片で予き裂を発生させて後電顕内に入れる方法で再度試みる計画である。前年度開発してきた2次電子信号をDMA片高速A/D変換器でパソコンに取込み画像処理する方法でき裂進展速度、き裂先端開口変位、き裂近傍の変形量の定量測定を進め、過度的な変動荷重下の疲労き裂進展試験ではき裂の微視的進展方向、進展モードが変化しマクロな力学因子との対応が良くないが定常的な変動荷重ではき裂進展モードが変化することなく良い対応を示し、いずれの場合もき裂進展の主な支配因子はき裂先端開口変位であることが確認された。透過電顕による観察は機械的研磨とイオンエッチングの組合せにより透過可能な試料の作成は一応できたが、簡易なエッチング装置で傾斜などを含め條件の自由な設定が困難なこと、電顕の性能の不足からき裂先端の観察には到らなかった。
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