ホイール歯面をサブミクロン精度で測定するための、精密割出テーブルを設計製作した。テーブル径230mmでスラスト荷重とラジアル荷重はそれぞれ多数の鋼球で支えられ、鋼球との接触面はラッピング加工されている。このテーベルのラジアル方向およびスラスト方向の振れはそれぞれ0.2および0.1μmで、ばね定数はそれぞれ90および400N/μmであった。 歯面上の多数点で球状測定子を接触させたときの球中心の座標値から、これらを中心とする球の包絡面より歯面形状を求める計算手法を考案した。さらにホイールの理想形状が与えられたと仮定して、測定シミュレーションを行い、両者の計算手法を比較検討した。 ウォームねじ面として、インボリュート・ヘリコイド面を例に採り、このウォームによって創成されるホイール歯面形状を計算するとともに、逆にこのホイール歯面で創成されるウォームねじ面がインボリュート・ヘリコイド面になることを確認した。さらにホイール歯面に正弦波状などの誤差があったとき、このホイールと理論的に正確に噛み合うウォームねじ面を計算する手法を開発しつつある。 ウォームねじ面の形状をウォーム軸直角断面歯形で求め、これを加工するための舞いツール刃形を計算する方法、およびウォームをホブ盤で加工する方法を開発した。 従来のシステムでは、できるだけ避けようとしていたウォームホイールの歯面形状誤差を、ある程度許容し、それと実用上正しくかみ合うようにウォームの歯面形状を決めるという点は、今までにはなかった考え方である。また、このシステムによって、潤滑上好都合のいわゆる入口すきまを生じるように歯当りをコントロールできる可能性について検討中である。
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