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1986 年度 実績報告書

原子炉燃料棒支持用スペーサ近傍の熱除去特性に関する流動工学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61550131
研究機関九州大学

研究代表者

深野 徹  九大, 工学部, 教授 (60037968)

キーワード気液二相流 / 液膜流 / 流動障害物 / 蒸気発生器 / 原子炉 / スペーサ
研究概要

長さ7m、幅40mmの水平な長方形ダクトを用いて、高速の気流に伴われて流動する薄い水膜の流れと、原子炉内燃料支持用スペーサを模擬した平板状流動障害物との干渉について調査して、以下の知見を得た。平板状障害物の場合、障害物の影響を受けて液膜が破断することはないが、燃料棒を固定するためのディンプルを模擬した突起が平板に存在する場合その影響を受け液膜が破断する場合が生じる。その様相は突起と破断形状の関係により5種に分けられ、同じ液体流量で比較すれば、気流速が小なる程大規模に破断する。次に、気流速度分布については、平板上側の気流速度分布は障害物によって加速される一方、下側の狭いすき間の部分の流れは減速する。この流れはすき間を出たあと、急激な拡散のためダクト上方への速度成分を有することになり、このことが、液膜の平板後端におけるもり上りの要因となっている。またダクト幅方向には突起の存在により、突起の真うしろでは逆流することもあるが、その後流の幅は狭い。液体流量が大なるほど、拡散が早く、液膜の流動が平滑化する。後流が大規模な場合、突起後方の平板直後の極く限られた領域に液膜のもり上りが観察され、これから液滴が飛散する。また、圧力の軸方向分布から平板の直前と直後に圧力が急増する領域があり、そのことがその近傍の非常に狭い領域における液膜の隆起、陥没現象の原因を成している。障害物近傍の水膜の厚さは、障害物の突起がない場合その直前でやや厚くなり、後端では、50%程度膜厚が増加し液膜の保持に優利に作用するが、突起を有する場合、突起の直前に於て液膜が破断し、液膜の保持、すなわち熱除去の上で極めて不利な状況が出現することが判った。突起が原因となって生じるこの液膜の破断が、気流速度の比較的低い領域で激しく、気流速の高い場合に緩和されるという燃料支持用スペーサの設計上考慮すべき有用なデータを得た。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 深野徹,森川健悟,冨永彰: 日本機械学会論文集. 52-477. 2052-2056 (1986)

  • [文献書誌] 深野徹,冨永彰,坂本太郎,加藤栄二郎: 日本機械学会論文集. 62-484. 3853-3858 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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