研究課題/領域番号 |
61550137
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
安藤 常世 慶応大, 理工学部, 教授 (50051082)
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研究分担者 |
澤田 達男 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (00162545)
棚橋 隆彦 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70051638)
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キーワード | 磁性流体 / 磁場 / 数値解析 / 有限要素法 / 差分法 / 非ニュートン流体 / 構成方程式 |
研究概要 |
磁性流体は、「強磁性」という金属特有の性質と「流動性」という液体特有の性質を兼備し、外部磁場に対して興味深い挙動を示し、様々な工業的応用が考案されている。しかし、その非ニュートン性および磁気的応答の複雑さのため、従来の流動解析方法では磁性流体の流れを解明するには困難を伴う。そこで、我々は計算機による磁性流体の流動解析を将来の大きい目標において研究を遂行している。 まず、ニュートン流体に対する安定かつ高速な有限要素法の新しい数値解析アルゴリズムを開発し、他の研究者による実験結果との比較・検討を行った。本手法を正方キャビティ内の流れおよび円柱まわりの流れに適用した結果、計算スピードは従来の有限要素法に比較して十数倍以上速く、計算時間と容量は差分法と同程度であった。また計算精度もGhiaの結果と極めて良く一致し、高精度であることが確かめられた。円柱まわりの高レイノルズ数流れにおいては、非常に安定な数値解析法で、二次渦の変化やカルマン渦列の発達過程を調べることができた。つぎに正方形容器内に満たされた磁性流体の自然対流の数値解析を行った。その結果、外部磁場の印加方向、磁場勾配の磁性流体の自然対流におよぼす影響が明らかになった。 また、数値解析の妥当性を確かめるべく、実験装置の試作、予備実験を行った。円管および平行平板間流れを対象とした予備実験より、磁場の強さ、磁場の印加区間の長さに対する管摩擦係数、みかけの粘度の変化の様子が明らかとなった。磁性流体の自然対流に関する実験より、外部磁場によって自然対流が大きく制御されることがわかった。この効果は、数値解析の結果を大幅に上回っており、今後、詳細に検討していく予定である。
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