研究概要 |
準三次元流れ解析により、種々の形状の斜流羽根車の内部流れの計算を行い、これらの中から、羽根車出口においてハブ,シュラウド間で流れに偏りが少なく、高性能が期待できる形状の羽根車を選んで、これを試作した。送風機のディフューザ形状は、半径流移行形のベーンレスディフューザとし、羽根車の出口の速度分布に対し最適性能を与えると考えられる形状を計算し、これを試作した。 実験は3孔コブラ形ピトー管を用いて、羽根車入口,羽根車出口およびディフューザ内を詳細にトラバース測定して、実験結果から羽根車とディフューザのマッチングの検討を行い、以下のような結論を得た。 1.試作した羽根車出口のハブ,シュラウド間の子午線方向の速度成分は、理論値に近い一様な分布が得られた。 2.羽根車出口の接線方向速度成分は、理論値と比べて大きく隔り、ハブ側で理論値よりも小さな値を示した。この実験結果から、高比速度斜流羽根車ではハブ側のすべり速度が大きくなる可能性があることがわかった。 3.2に示した原因により、試作した羽根車とディフューザの組合せでは、ディフューザの下流域において、シュラウド側壁面近傍に逆流域が生じた。 4.以上の実験結果から、試作した羽根車とディフューザのマッチングは、ディフューザの半径流移行部の曲率をより小さくとるか、羽根車の羽根数をより多くすることにより適切なものになることが推定できる。 4に示した事項については現在実験を進行中である。
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