研究概要 |
本年度の成果。 1.水平円管に入れた発熱性流体の非定常自然対流場(凝固なし)について、差分法による数値解析およびマッハツェンダーチ渉計を用いた実験を行ない、流れ場および温度場の諸特性を明らかにした。この結果より、1)定常状態に到達するのに要する時間を求めると共に、2)プラントル数が5以上の流体では温度場に対するプラントル数の影響がきわめて小さい事、3)本研究の数値解析手法はレイリー数が8×【10^7】以下の範囲で実験値によく一致する事を明らかにした。この結果はJSME International Journal 8月号に掲載される。 2.凝固を伴う発熱性流体の自然対流場について、境界固定による数値解析を行ない、非定常期間の流れ場および温度場の特性を明らかにすると共に、最高温度,流れ関数の最大値,平均ヌセルト数など対流場の主要特性値を簡便に推定するための近似手法を考案した。この結果より、1)液相領域の平均半径は非定常熱伝導問題として求めた固液界半径にきわめて近い事、2)上記の近似推定法は流体のステファン数が小さい場合にかなり有効である事を明らかにした。この結果は日本機械学会論文集に4月中に投稿する。 今後の予定 3.凝固を伴う発熱性流体の自然対流場について、2ケースの(予備)実験を行った。しかしながら得られた結果はかなりのバラツキがあり、測定精度の点で問題がある。3月末現在、測定セル部分の改造を進めており、5月より再度実験を試みる。 4.レイリー数が【10^8】以上の領域で伝熱実験を行う。 5.流体の熱発生率が放射性壊変のように時間的に変化する場合の数値解析を行う。
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