研究概要 |
波浪エネルギー変換器は作動状態が気象によって頻繁に変り、特に入力エネルギーレベル,周波数特性が変化するため、最大エネルギー変換効率制御が必要である。工学的制御方式は定係数線形システムに対する方式が大半であり、状態変動を補うには適応制御があるが、その制御則は十分明らかでない。 所が人間の制御動作には融通性があり、状況に応じて最適条件を追求できる可能性をもつ。しかし、現在の知識工学では時間的要素が十分考慮されてないので動的制御には適用し難い。本研究では直接、制御対象を最適制御する人間の制御動作を実験的に観測し、解析して制御則を見出そうとするものであり、第1年目の研究実績は以下の通りである。 研究経過 1.制御対象をまず、2次および3次の低次線形システムと仮定し、計算機によってシミュレートさせ、操作と応答の時間的経過をデイスプレイ上に表示させた。 2.人間の手動操作による入力はA-D変換器を通してシステムに与え、実時間で応答させ、人間に連続的に応答を観測しつつ対応する制御を行せた。 3.主な制御法は目標値変化に対する人間による最短時間制御とした。 4.操作と制御応答の評価のためFFTを用いて周波数スペクトルに変換した。 主な研究成果 1.本研究手法によれば広範囲のパラメータ変化に対するデータが求まる。 2.操作と応答の周波数スペクトルから人間の制御動作の熟練に伴う経過にはかなり著しい特色があることを見出した。 第2年目には以上の研究手法を主目的である2学体型エネルギー変換器を対象として最大エネルギー変換効率を維持することのできる制御則を求める計画である。
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