研究概要 |
本研究では、直流サーボモータの高速化、高精度化を目的とし、電流フィードバック制御に適応制御手法をもちいたサーボ技術を2ケ年計画で開発する。61年度においては、電流フィードバックループにおいて、そのゲインをサーボ系の動的な特性に対して適応させ、摩擦の影響などを補償して高速化、高精度化をはかるために用いる適応同定則、適応制御則の開発をおこない、また、サーボ実験装置の試作に着手した。すなわち、1.計算時間の短いリヤプノフ法適応同定則に非線形項を付加して収束性を改善した、サーボ装置に適した離散時間型適応同定則を開発した。2.前項と同じリヤプノフ法適応同定則に、リレー要素を用い、やはり収束性を改善した連続時間型適応同定則を提案した。3.マニピュレータ、サーボ系等の非線形動特性を有するシステムに対し加速度信号を用いないで、パラメータを同定する手法を提案し、ミニコンピュータとオンライン接続された既設の適応サーボ実験装置に対し、パラメータ同定実験をおこなった。4.サーボ系の摩擦外乱等を補償するリレー方式による外乱ロバストな適応制御則を開発し、やはり、既設の適応サーボ実験装置によって、オンライン制御実験をおこなった。5.あらたにマイクロコンピュータを用いたサーボ実験装置を試作するため、パーソナルコンピュータ,ワンボードマイコン,サーボモータ等を購入し、その試作に着手した。
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