研究課題/領域番号 |
61550199
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
山城 迪 北見工大, 工学部, 教授 (60041951)
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研究分担者 |
中村 陽一 北見工業大学, 工学部, 助手 (30110638)
奈良 宏一 北見工業大学, 工学部, 助教授 (80113710)
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キーワード | 電力系統 / 過渡安定度 / パターン認識 / セキュリティ指標 / 想定事故解析 / セキュリティ制御 / 重大事故の自動選択 / 動的セキュリティ予防制御 |
研究概要 |
本研究は、(1)事故発生に伴う電力系統の過渡安定度の高速評価と、安定度維持を目的としたセキュリティ予防制御方策の開発、および、(2)重大事故の自動選択のためのセキュリティ指標の開発、等を研究目的としており以下に研究実績の慨要を述べる。 (1)過渡安定度の高速評価 過渡安定度の計算機シミュレーションにおいては、従来、潮流計算部分をAC法による繰り返し手法を用いていたため、計算量およびコストの面での負担が大きかった。本研究では、DC法潮流計算をベースとした、線形潮流モデルによる繰り返しのないシミュレーション手法の開発を行った。その結果、従来法とほゞ同程度の精度でしかも計算時間を約1/10に短縮可能な(北海道電力(株)の90ノード系統を対象にした場合)シミュレーション手法が得られた。 (2)重大事故の自動選択のためのセキュリティ指標の開発 電力系統の電圧・潮流に関するセキュリティ解析のため、母線電圧および線路潮流の違反量で構成される空間において、規格化された制限違反量ベクトルのノルムで定義される、新しいセキュリティ指標を開発した。これにより、従来困難とされていた、線路過負荷と母線電圧の大きさとを同時に考慮した想定事故解析と事故の順序付けとが可能となった。 なお、昭和62年度においては、今年度の成果を踏まえて、パターン認識による温渡安定度の評価およびセキュリティ予防制御方策の決定に関し、オンライン使用を目的とした実用的な手法の開発に向けて研究を発展させていく予定である。
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