研究課題/領域番号 |
61550212
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
細川 辰三 名古屋工大, 工学部, 教授 (30024219)
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研究分担者 |
関谷 昌久 大同工業大学, 工学部, 講師 (20075906)
中村 光一 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (10024283)
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キーワード | 気体の絶縁破壊 / 気体放電 / ガス絶縁電力機器の絶縁破壊 / 電力機器の絶縁破壊予知 |
研究概要 |
本研究は、ガス絶縁電力機器の絶縁破壊の予知を破壊前に現れるコロナのパターン認識から行おうとするもので、破壊前に現れるコロナの検出とその波形分析に重点がおかれ、高感度光センサによるコロナの検出とコンピュータによるデータ処理技術を開発した。更にこれらの装置を用い、破壊予知のモデル実験として圧力1〜5気圧の針対平板不平等電界ギャップにおける破壊予知の研究を進め、次のような結果を得た。 (1)コロナ開始電圧は、同一条件において、供試範囲内では負針の方が低かった。(2)絶縁破壊電圧は、同一条件において正針の方が低かった。(3)コロナパルスの波高値は、同一条件において正針の方が負針より約2倍高かった。(4)コロナが定在したギャップで、火花電圧に近ずくと、正針,負針とも波高値の大きなパルスの出現が目出ち、また、その出現頻度も増した。そして、絶縁破壊は波高値の大きなパルスから進展した。(5)2気圧以下ではコロナが安定に定在したが、ガス圧力を上昇させて電力会社がガス絶縁電力機器に現在使用しているガス圧力3〜5気圧では、コロロナが不安定となってコロナの定在電圧幅が狭まった。これは、絶縁破壊予知をコロナの発生特性から行おうとする本研究にとって、注目しなければならない重要な問題であることが明らかになった。 以上の結果を総合して、絶縁破壊前にコロナが出現するギャップにおける破壊は、コロナのパターン認識から行なうことが可能であることが明らかになった。 なお、この研究課題は、電力会社においても電力の安定供給の立場からその重要性が認められ、昭和62年度は電力会社との共同研究を予定しておりその研究成果が期待される。
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