61年度の研究で試作した装置あるいは得られた知見は以下の通りである。 ○炭酸ガスレーザを用いた走査型レーザクエンチング装置を試作し、高真空中でレーザクエンチングすることが可能となった。 ○YAGレーザーを用いたパルスレーザークエンチング装置を試作し、パルスレーザークエンチングが行えるようになった。 ○マイコンを用いた自動電気抵抗測定装置を試作し、電気抵抗の測定が精密に行えるようになった。 ○Si基板上および熱酸化したSi基板上にNbを薄くsputteringし、その試料を炭酸ガスレーザにより裏打ちクエンチングした。その結果、準安定相であるNb-Si-O系のペロブスカイト相の合成に成功した。 ○レーザ照射パワー、Nb薄膜の厚みによりレーザークエンチングにより生成される相が異なり、ペロブスカイト型Nb-Si-Oの生成にはあるしきい値があることが明らかとなった。 ○ペロブスカイト型Nb-Si-Oの超伝導遷移温度は4.2K以下である。 ○半導体-金属界面の電気伝導をより正確に求めるために、Si基板上にAuの超薄膜(20〜200【A!°】厚)を形成し、その電気抵抗を測定した。その結果、室温から4.2Kまでの測定において、電気抵抗の極少が存在することが見いだされた。 61年度において得られた知見あるいは試作した装置は以上の様であるが、これを踏まえ、更に研究を進め界面超伝導相の実現を検討する。
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