研究課題/領域番号 |
61550238
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
長野 勇 金沢大, 工学部, 助教授 (50019775)
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研究分担者 |
深見 哲男 石川工業高等専門学校, 助手 (60115269)
満保 正喜 金沢大学, 工学部, 教授 (90019696)
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キーワード | full wave計算 / ビームアンテナ / スペーシャトル / VLF / 電磁界強度 |
研究概要 |
本研究は次の3ステップによって行われる。(1)プラズマ中の電子ビームアンテナによる電磁波放射、(2)放射(発生)された位置から地上への電波伝搬、(3)space shuttleからの電子ビーム放射に伴う地上観測。本年度は主に上記(2)のステップについて研究を行った。 変調電子ビームによる電磁波放射の研究は開始されたばかりでその放射効率及び指向性などは詳しく分かっていないが、定性的にはプラズマのLHR周波数付近で効率がよく、磁場と直角方向に放射する。これらを考慮しプラズマ中で有限な大きさの波動の伝搬を取り扱かえるfull wave計算方法を開発した。このプログラムを使用して電離層中からVLF波を入射し大地上の電磁界強度分布を調べた結果、次のことが分かった。変調電子ビームより放射された電磁波のkベクトルがほとんど電離層に垂直(トランスミションコーン内にkベクトルがある場合)にある時、昼では10数dB、夜では7-8dBの電離層減衰で、波源の真下の大地上へ伝搬する。そして、その大地上での水平方向の減衰率は大地上の最大強度より100km以内では約-10dB/100km、そして100km以降では-3db/100kmとなった。従って、高度200km-300kmの電離層中の電子ビームによるVLF放射電波は約40dB以内の減衰で、約1000km程度まで伝搬することが分かった。次年度では、変調ビームから電磁波の放射効率及び放射パターンを理論的に研究する。又、数年後に延期になったspace shuttle実験に備えて地上観測装置も準備する。
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