研究概要 |
1.縦接符号において、内部符号で一定数【t_1】、以下のビット誤りを訂正し、【t_1】+1以上の誤りを検出したとき、(1)その符号語を消去するか、訂正せずそのままにしておくか、さらに、(2)外部符号として交錯符号を用いるか否か、の各組み合わせそれぞれの場合に、2元対称通信路で用いたときの誤り見逃し確率の上界Peや正しく復号する確率Pcの値を求める式を導出した。 2.上述の1.の方法に基づき、PeやPcを計算するプログラム群を大阪大学大型計算機センターのACOS-1000上に作成した。 3.これらのプログラムを用いて、各種の具体例についてPeやPcの値を計算した。(1)符号のレートが比較的大きい(例えば0.6以上の)場合として、内部符号に、短縮ハミング符号(例えば(56,48)符号)、短縮BCH符号(例えば(61,48)符号)等を用い、外部符号として、(255,223)RS(リードソロモン)符号を用いたときに、例えば、ビット誤り率εが【10^(-2)】でも、Pc>0.1かつPe<【10^(-10)】で、十分信頼性が高いことを示した。(2)符号のレートは小さくてもよいが、εのかなり大きい場合でも高い信頼性を要求される応用のための一例として、内部符号に(16,5)biorthogonal符号を、外部符号にGF(【2^5】)上の(31,15)RS符号を用いたとき(レート0.151)、例えば、εが【10^(-1)】でも、Pc>0.9987かつPe<【10^(-23)】であることを示した。 4.上の2.で述べたプログラム群等を用いて、次の(1)または(2)のような縦接符号設計支援システムを作成した。(1)具体的な内部符号、外部符号、誤り見逃し確率の上界、が与えられたとき、正しく復号される確率を最大にするように、復号のパラメータ(訂正する誤りの個数等)を選択する。(2)内部符号、誤り見逃し確率の上界、正しく復号される確率の下界が条件として与えられたとき、縦接符号のレートを最大にするように、外部符号とその復号パラメータを選択する。
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