研究概要 |
上記研究課題について以下のような成果が得られた. 圧電セラミックス材がより発達し, 比較的大きな変位にも耐えられるようになった事がこの研究の基盤となり, 新しいデバイスとして圧電アクチュエータを研究した. 各種の圧電アクチュエータの内, 主に超音波モータならび変位素子に注目した. その結果, 前者についてはその励振の基礎的条件を明らかにし, 体系的な考察を行った. さらに, その結果をもとに多様な構成を考案した. また, これらを分類・整理し, 一部実験的検討を行うとともに紙送りデバイス等への新しい応用を展開した. 後者については光素子としての応用の観点から種々の構成を検討した. 特に, 圧電アクチュエータの過渡応答を防止し高速動作のための駆動電圧波形を検討し, 新しい知見を得ることができた. 研究成果をその内容別に整理すると次のようになる. 1.屈曲振動の進行波励振とその応用 2.超音波モーターの構成とその特性 3.面内振動利用の薄形状超音波モーター 4.変位素子に関する考察 5.圧電アクチュエータの高速動作と過渡応答の防止 それぞれの具体的内容については別冊の研究成果報告書に示したので, ここでは省略する. 今後はさらなる体系化の観点から, (1)設計考察のための等価回路表示, (2)ローター加圧時のステーターの変位楕円運動の挙動, (3)ステーター振動子の効果的な駆動法の検討, 特に圧電セラミックスの縦効果の利用, (4)過渡応答防止と高速動作の詳細な実験的検討, を検討しなければならない. 筆者らはこれらの問題に対する研究を続け, 全体としての体系化に寄与したいと願っている.
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