研究概要 |
1.NFTの一計算法であるFIR-IIR構成法の精度が、計算機のダイナミックレンジの限界によっていることを明らかにした。(NFT;ノッチフーリエ変換)。 2.1の結果を基に、分析対象周波数の数をできるだけ多くするためには、FIR部の構成において、各分析対象周波数に対応する2次ノッチフィルタ(2-DNF)の零点を隣接ノッチフィルタでできるだけ遠ざけるように接続すること(MIX法)が重要であることを明らかにした。 3.MIX法による解法が、連立方程式による解法および2-DNFのノッチ周波数の小さい(あるいは大きい)順に接続した方式より格段に精度が良いことを明らかにした。 (1)分析対象周波数が等間隔の場合、分析対象周波数の数rはMIX法では単精度でr=64,倍精度でr=256で【10^(-2)】%以下の誤差でフーリエ係数が求められる。 (2)不規則の周波数配置の場合にも、ランダムな2-DNFの接続よりMIX法は2桁位精度が良いことを明らかにした。 (3)NFTは、入力信号の一周期前にフーリエ係数を計算できる特長があるが、精度が問題である。これに対して、いくつかの結果の平均をとることで精度の改善が計れることを明らかにした。 4.このNFTをアセンブラに近いC言語で実現した。 5.マイクロコンピュータにAD・DA変換器を接続してNFTを専用化した場合の性能・問題点については現在検討中であり今後明らかにしていく、また上記の結果を基に、NFTの特徴をいかした応用として、短時間でシステムを推定する研究を展開していくつもりである。
|