研究概要 |
1.研究経過-教育システムの構成 本研究では, まずパーソナルコンピュータを中心とした, 教育システムを構成した. 障害児に対する認知のための感覚教育を目的として, 抽象的概念および数量・記号的概念の入力と呈示をおこなうハードウェア, ソフトウェアを新たに設計した. 特に, 一般に用いられているコンピュータキーボードは, 障害児とのマンマシンインターフェースとしては不適当であるので, 単純なスイッチボックス, 鍵盤, タッチパネルなどの入力装置を作成した. これら入力装置の設計においては, ロボットのセンサ技術を応用し, インテリジェントな入力装置とした. また, 情報呈示にはグラフイックシミュレーション技術を応用したものも加え, 教育プログラムに多様性をもたせた. 2.教育プログラムの実施効果 本教育システムは, 3才から5才の障害児十数名に適用され, 教育が実施された. 各幼児の発達の程度に応じて, 実施プログラムが選択され, また入力装置も選択される. 本システムでは, 高速に美しい画面が入力に対応し, また多くのバラエティに富んだ画面が展開するので, 障害児の興味を引き易く, 教育効果も十分得られた. 3.ロボット支援教育システムへの発展 本研究では, 空間的動作概念の呈示のために移動ロボットとコンピュータ制御ロボットを利用した. また, 反応の状況によりインテリジェントに教育プログラムをすすめてゆくAI的手段も有効であることがわかった. すなわち, ロボットのセンサ技術による障害児とのマンマシンインターフェースと上記2つのロボット技術をあわせ, ロボット支援による障害児教育システムが可能であり, また有効であることが本研究により明確となった.
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