研究概要 |
陸上での用地の確保の困難さなどと相俟って, 陸上空間を利用しようとする気運が高まりつゝある. この場合従来の石油掘削用のリグなどに用いられている構造物と比べると更に大型化した構造物が使用される事が考えられる. 構造物が大型化すると比較的に剛性が低くなり, 弾性体としての効果がより出てくることが予想される. この事を実験・計算の両面から探ろうというのがこの研究の目的であった. 関西新空港用の浮体モデルとして検討されたものを参考に, アクリル製の1/300の部分モデルを作製し, その水槽実験を行った. 係留方法としては緊張係留を採用した. 解析には緊張係留プラットフォームを解析するために開発したプログラムを使用した. 風については, いろいろ準備をしたが基本的には送風機の性能がこのモデルに対して劣っていたため, 定性的な確認は出来たが定量的なものを得るまでには到らなかった. 波については一連の実験らか大型化した場合の弾性体としての効果を確認出来たと言える. 唯系統だてた計算を行っていない事, 波の相互干渉・減衰を検討していないので大型化した浮遊体の特性をはっきりさせるまでには到らなかった. 係留法については, 緊張係留法を採用した. この係留法の特徴で運動特に上下動をよく抑えるが, 反面構造体に大きな内力を生じさせる面もありその得失については他の係留法との比較・検討が必要である. 本実験ではモデルと実機との寸法比に1/300という大きな値を採用した. (それでも部分モデルである. )実験波周波数など実験実施の面からはこれが精一杯であり, これからは計算が主体となり, 実験はその精度のチェックという面が強くなりそうであるが, 大型化した浮遊体の特性を良くとらえた部分モデルを考えることも大切である.
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