研究課題/領域番号 |
61550326
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
北浦 勝 金沢大, 工学部, 教授 (70026269)
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研究分担者 |
出村 禧典 国立石川工業高等専門学校, 助教授 (90042928)
木俣 昇 金沢大学, 工学部, 助教授 (30026166)
宮島 昌克 金沢大学, 工学部, 助手 (70143881)
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キーワード | 常時微動 / 不整形地盤 / 地盤の動特性 / 耐震安全性評価 / 震害予測 / 信号強化 |
研究概要 |
比較的安価で、しかも高い信頼性を有する地盤動特性評価法を開発するとともに、得られた動特性と震害との関係を明らかにしようとすることが本研究の目的である。本研究の成果を要約すると以下のようになる。(1)常時微動のスペクトル密度から地盤の卓越振動数を、応答スペクトルの形状から地盤の減衰定数を推定、評価しうる地盤動特性評価法を考案することができた。この評価法によれば、従来から多く用いられているボーリング柱状図による方法に比べて簡便かつ経済的であるため、多数のデータを集積することができ、したがって信頼性のある評価が可能になる。(2)しかしながら(1)では常時微動波形の電気信号が微弱であり、かつ雑音が重畳していることが多いため、解析結果の判定を見誤る恐れがありうる。そこで微弱な信号の雑音除去のためのフィルターの構築や信号強化法の途を開いた。(3)1948年福井地震で被害の大きかった福井平野に本手法を適用し、震害と地盤の動特性との関係を明らかにした。その結果ある震央距離以上では、定性的にではあるが福井地震の木造家屋の被害率に地盤の卓越振動数や減衰定数が関係していることがわかった。この成果は将来の震害予測に大いに役立つものであり、また今後の地震危険度予測の精度向上に関与するものと期待される。(4)特に震害が顕著に現れる恐れの強い地点、たとえば盛土の地盤動特性を把握することが耐震工学上重要である。このような不整形地盤を対象に本手法の有効性を確かめた。実験対象とした盛土は僅少ではあるが、本手法の適用性をある程度明らかにすることができた。しかし現段階では、現地地盤で測定のみを行い、帰学してから解析するといった2段階方式を採用しているため、1日に測定できるデータ数が限定される。今後マイコンとピックアップを連動させ、現地地盤においてリアルタイム的に地盤の動特性を評価しうるシステムの開発が望まれる。
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