研究計画に従って、本年度は都市高速道路建設工事を具体的対象として、対象工事の概略工事計画(工事実施構想の計画)を、従来の経験や蓄積資料やデータにもとずいてイメージアップし、概略的フレームをそのイメージのもとで設定するとともに、座標式工程表(Time-Space Diagram)上に概略工程計画案を設計するという方法を開発した。次いで、この概略工程計画内容の実行可能性や、技術面・運営面での合理性を確保するために、より詳細な工事施工レベルの作業工程を、GPSS手法を用いたシミュレーションモデルとしてコンピュータ内に構築した。(吉川・春名) 次いで、このGPSSによる工程進捗シミュレーションモデルで、概略工程計画での目標に沿って実施過程をシミュレートしつつ、工事施工の実行可能性や技術面・運営面での合理性を確保するためのプロセスとそこでの手法を明確にした。そして、このような工事施工の合理性(迅速性・経済性・確実性・安全性)の確保を効果的に行なうための方法として、工程シミュレーションと連動する工事進捗の物的シミュレーションを3次元グラフィックス上でシミュレートするプログラム(モデル)を開発した。(春名) 詳細レベルでの工事工程のシミュレートを通して明らかになった問題点や課題を解決・達成しつつ、先に設計した概略工程計画内容を改善してゆく方法を設計し、運用を通して作業の効率化をめざした検討を行なった結果にもとづき、この方法をコンピュータシステムを活用した"マン・マシン型モデル"として構築した。(春名) これらの開発モデルは、具体的検討対象とした都市高速道路建設工事に適用され、その有効性は実証されている。
|