| 研究概要 |
盛土荷重等が載荷される粘土地盤の応力変形解析を行う場合, 粘土の基本的性質(変形・強度特性におよぼす中間主応力の影響, 変形特性におよぼす応力経路や応力履歴の影響, 時間効果特性等)を妥当に説明できる構成モデルを用いる必要がある. 本研究では, すでに提案している力学量trj.を用いた弾塑性モデルと粘塑性理論を融合することにより, 粘土の基本的な力学的性質を統一的に表現できる3主応力下の粘土の弾・粘塑性構成モデルを開発した. 開発したモデルでは, 拡張された空間滑動面の概念(SMP^+)を一般化させた力学量trj.を用いることにより中間主応力の影響を, 塑性ひずみ増分を等方的な圧縮成分と関連流動則成分に分離することにより応力経路の影響を, 関口による非定常流動曲面型の粘塑性理論を使うことにより時間効果特性を考慮しているが, その土質パラメーターはできるだけ簡便に決められるように留意している. そして, モデルの妥当性を飽和粘土の三軸圧縮・伸張条件下の非排水定ひずみ速度試験, 非排水クリープ試験, 非排水応力緩和試験, 部分排水せん断試験ならびに標準圧密試験結果を用いて検討した. さらに, 提案構成モデルを用いた実際の盛土基礎地盤の有限要素解析も行い, 現場実測値と比較・検討した.
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