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1986 年度 実績報告書

河川・貯水池の結氷機構と熱収支に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61550364
研究機関北見工業大学

研究代表者

佐渡 公明  北見工大, 工学部, 教授 (90003201)

研究分担者 中尾 隆志  北見工業大学, 工学部, 助手 (60101523)
キーワード熱収支 / 結氷機構 / 水温 / 氷厚 / 平衡温度
研究概要

本研究は河川や貯水池の結氷機構について、理論的研究と現地観測を行ったものであるが、その成果を研究計画に対応させて以下に記載する。
1.熱収支の現地観測
当初予定していた常呂川水系富里ダムにおける冬期間の熱収支観測は、水位低下試験のため実施できず、代わりに屈斜路湖の氷板上で1987年1月23日〜30日まで熱収支観測を実施した。全熱収支量に占める各熱収支要素の割合は、純放射量が最大で、次いで顕熱・潜熱フラックスの順に大きかった。昼間の純放射量には全天日射量の影響が最も大きく、顕熱・潜熱フラックスについては風速による強制対流が支配的であることが分かった。
2.平衡温度による水温解析
河川水面に対する全熱収支量を線形化して平衡温度と熱交換係数を定義し河川水温計算のための1次元水温計算モデルを提案した。これより、乱流拡散を無視できる条件、水理・気象条件に対する水温の応答特性を明らかにした。
3.平衡温度を用いた氷厚解析
積雪の有無および表面温度(雪面か氷板表面)が既知か未知に分けて適用できる4本の氷厚算定の近似式を誘導した。これによりStefanやNeumannの式の適用条件が明確になった。氷厚増加に影響する要因については、平衡温度、熱交換係数、風速、積雪深、流速についてその影響を明らかにした。
ところで、結氷板の温度上昇による熱応力については、我が国ではダムの安定計算に算入していない。しかし、この氷板熱応力については氷の構成方程式、クラック、両岸の拘束度等未解決の問題点があり、今後これらを調べていきたい。さらに流域全体に実用的精度をもって適用できる融雪熱量の近似モデルを開発していく考えである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 川地悟: 日本雪氷学会北海道支部機関誌. 5. 5 (1986)

  • [文献書誌] 佐渡公明: 寒地環境工学合同シンポジウム講演論文集. 1. 41-48 (1987)

  • [文献書誌] 中尾隆志: 土木学会北海道支部論文報告集. 43. 223-226 (1987)

  • [文献書誌] 川地悟: 土木学会北海道支部論文報告集. 43. 227-232 (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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