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1986 年度 実績報告書

各種排水に対する嫌気好気式生物脱リンプロセスの適用可能性の評価

研究課題

研究課題/領域番号 61550393
研究機関東京大学

研究代表者

味埜 俊  東大, 工学部, 講師 (60166098)

研究分担者 松尾 友矩  東京大学, 工学部, 教授 (80010784)
キーワード嫌気好気式リンパ除去法 / 生物学的リン除去 / ポリヒドロキシ酪酸 / 汚泥内多糖類
研究概要

本年度は、各種の有機物が嫌気好気式リン除去プロセス内でどのような経路により代謝されるかを調べた。実験室内に設置した2基の半連続式嫌気好気法モデルプラントより得た汚泥に対し、酢酸,グルコース,リンゴ酸,乳酸,グルタミン酸を投与した嫌気回分実験を行った。酢酸の嫌気代謝は次式で説明できることが明らかになった。
【(C_6H_(10)O_5)n】 +6n【CH_3】COOH +3nATP →汚泥内多糖類 酢酸【(C_4H_6O_2)_n】 + 2n【CO_2】 + 3nADP +3nPiポリヒドロキシ酪酸 オルトリン嫌気工程でこの反応が生じるためには、好気工程で汚泥内に多糖類が蓄積されている必要がある。この式はポリヒドロキシ酪酸(PHB)合成に必要な還元力を汚泥内に蓄積した多糖類の解糖により得ていることを意味している。
以上のことからリン除去のメカニズムとして次のような考え方が導かれる。すなわち、リン除去を安定して維持するには、好気工程での糖蓄積と嫌気工程での還元性ポリマーの蓄積が相補的に生ずる必要があり、しかも嫌気工程においての糖から還元性ポリマーへの電子の移動が生ずることが必須である。このように考えると、還元性ポリマーであるポリヒドロキシ酪酸に転換しやすい酢酸を多く含む廃水ではリン除去能の高い汚泥ができるが、酢酸のみを有機物源とした場合、好気での糖蓄積が生じにくいため、リン除去は不安定になるという結果もよく説明される。
酢酸以外の有機物の代謝過程は定量的に追うことができなかったが、ポリヒドロキシ酪酸以外の還元性ポリマー形成や、嫌気条件下におけるタンパク質合成の可能性を示唆する結果が得られている。これらの有機物代謝過程についてはさらに検討が必要である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Takashi MINO;Yoshiaki TSUZUKI;Arun VISWAIJATH;Tomohori MATSUO: Advance in Water Pollution Control.(1987)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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