研究課題/領域番号 |
61550400
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
荒川 卓 室工大, 工学部, 教授 (90002815)
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研究分担者 |
溝口 光男 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (80166040)
荒井 康幸 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (80002210)
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キーワード | らせん鉄筋 / 鉄筋コンクリート / 柱 / せん断強度 / せん断補強 / 軸方向力 |
研究概要 |
1 実験概要 一辺が25cmの正方形断面柱2体を基準に選定し、これと同一断面積を有する一辺11.4cmの正八角形断面内に、主筋を円形に配置し、その外周よりらせん筋によって剪断補強を行った柱12体を加え、合計14体の柱模型供試体を製作した。この供試体を反力床面に固定した鋼製フレーム内にセットし、地震時に、構造物の柱に生ずる応力状態を再現できる繰返し加力方法によって破壊に至らしめる。初年度の実験では、らせん筋Pw、軸圧縮応力度【σ_0】、主筋の本数、らせん筋柱と角形帯筋柱の差異、などを比較検討する。 2 成果の要約 (1) 全試験体とも予想通り剪断破壊を生じたが、その時の強度や変位は、Pwを増すことによって高められるが、【σ_0】が大となるほど耐力後の保持力の低下は急激である。(2) らせん筋柱を同断面積の正方形柱に置換した時の寸法を採用することにより、既往の強度推定式を適用できる。(3) 補強筋が負担する剪断応力度は、【σ_0】の大小には無関係であり、Pw・【σ_(wy)】に比例する(【σ_(wy)】は補強筋の降伏強度)。(4) 【σ_0】の影響については、梁に関する大野・荒川式のコンクリート負担応力度に0.1・【σ_0】を加算して求まる値と、(0.9+【σ_0】/250)を乗じて求まる値とのほぼ中間に位置している。(5) 主筋本数の多少による剪断強度への影響については、大野・荒川式の引張鉄筋比による補正係数で評価し得る。(6) らせん筋柱の終局剪断強度は、角形帯筋柱よりも約8〜20%高かったが、Pwの少い柱ほど強度増分は大であった。(7) 上記(3)で指摘した剪断補強筋の負担分に、上記(5)で求まるコンクリートの負担分を加算した値は、本実験値に極めて良い適合性を示した。この点については、新年度に予定しているM/QDやFc及びPt等を変化させた実験資料の畜積を待って再検討し、妥当な剪断設計式を提示したい。
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