研究概要 |
台車付き鋼製ケース(実験土槽:高さ1.1m,幅1.0m,奥行1.5m)が二本のレール上を走行する機構となっている実験装置を作製した。同装置は鉛直力と水平力を同時に与えることができ、かつ杭頭の回転を拘束すると共に、杭は鉛直および水平方向に自由に変位できる構造となっている。本実験を実施するにあたり、1.目的とする地盤を得るため、自走式のサンドレイナー装置を作製し、相対密度Drに関するキャリブレーション試験を行った。結果として、2mm目のフルイを通過した太田川産の砂を用い、ホッパーの開口幅を15mmに保持することにより、平面的にも深さ方向にもほぼ一定のDr〓90%の地盤ができることを確認できた。2.試験杭として採用したアルミニウム管(外径φ20mm,肉厚1mm,長さ1250mm)の曲げ試験より、初期曲げ剛性EI=1.85×【10^5】kgf・【cm^2】,降伏モーメントMy=191kgf・cm,全塑性モーメントMu=392kgf・cmの特性値を杭体が有している結果を得た。 杭頭をコンクリート製のフーチング(重量:N=40kgf)で剛結した単杭の実験を実施し、フーチングの変位,回転ならびに実験土槽の回転等の測定結果より、目的とする実験条件および精度が得られたことが確認できた。また、杭頭荷重H=12.5kgfで杭頭部が降伏し始め、ついでH=22.5kgfで地中部の杭体に降伏が生じること、その後は僅かな荷重の荷重増分に対して変位が急激に増大してゆき、H=26.0kgf時に杭頭部が全塑性モーメントに達し、H〓30.0kgfにおいて極限状態に至ることなどの挙動性状が明らかとなった。なお、4×4本の群杭に関する実験は、現在実施中である。 理論面では、杭間隔・本数・配置形状等による群杭特有の塑性地盤反力と杭体の非線形性を共に考慮した解析プログラムを開発した。今後、鉛直軸力の有無による特性の違いに関して、杭間隔と本数を変化させた実験を実施し、理論との比較検討を行う予定である。
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