研究課題/領域番号 |
61550420
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
椎葉 大和 福岡大, 工学部, 助教授 (30103782)
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研究分担者 |
本田 悟 福岡大学, 工学部, 副手 (70181550)
大和 竹史 福岡大学, 工学部, 教授 (90078650)
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キーワード | 超遅延性混和剤(超遅延剤) / 遅延作用 / 流動時間 / 潜伏期 / 発熱温度 / 音速 / 消費電力 |
研究概要 |
本年度の研究は、超遅延性混和剤(以下SR剤と略記)が有している遅延作用に対する基本的、かつ、全般的な特性の把握を目的としてSR剤添加のセメント・コンクリートに関して実験を行ったものである。その結果、おおよそ次のようなことが明らかになった。 1.セメント・コンクリートの水和反応に対してSR剤は十分な遅延作用を有していることが試験結果から認められた。この遅延作用のメカニズムを推測すると、SR剤の分子が未水和セメント粒子上に吸着して水分と未水和セメント粒子との反応を遅延させると同時に、SR剤はセメントペースト内部で水分に対する強い拘束作用を有しているものと考えられる。しかし、モルタル及びコンクリートの骨材としての海砂等の使用では、含まれている塩分との共存下ではSR剤の遅延作用が若干低下している。 2.SR剤の添加に伴って24時間以上の凝結遅延も可能であり、かつ、添加率によって遅延時間をある程度自由に調節することができ、しかも、従来型の遅延剤にみられるような高添加による硬化不良は認められていない。ただし、高添加に伴いSR剤の遅延作用が非常に敏感となるので、コンクリートの品質管理上から十分な注意を払う必要がある。 3.フレッシュコンクリートにおけるSR剤添加の影響としては、スランプの増加及び流動時間の延長等が認められる。従って、これらからコンクリート構造物におけるコールドジョイントの改善にSR剤添加が十分な効果を発揮するものと考えられる。 4.コンクリートの圧縮強度は、コンクリート打設直後の初期の状態ではSR剤の添加率に伴って強度に差を生じてくるが、材令の進行に従って(材令28日)SR剤の添加率の影響による強度低下といったものはみうけられていない。
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