研究概要 |
62年度の研究では, 超遅延性混和剤(以下超遅延剤と略記)添加に伴う超遅延コンクリートの基礎的性状を踏え, 特にコンクリート打設を考慮した若材令時の流動及び強度性に関する実験を行って, 次のような知見を得た. 1)フレッシュな状態の超遅延コンクリートの流動性に関し, プロクター貫入抵抗値に対する落下貫入量及びフロー値(コンクリートモルタル)との間に相関が認められた. その結果, 現場での簡便な流動性試験としての落下貫入量とフロー値との間に一定の傾向が存在し, プロクター貫入抵抗値500psi程度までは落下貫入量によっても超遅延コンクリートの流動性状の変化が確認できることが判明した. なお, 落下貫入量の減少率はプロクター貫入抵抗値10psiまでは約75%, 10〜100psiまでは約90%, さらに, 100〜500psiまでは92〜95%程度と, 曲線的に低下している. 2)圧縮強度とプロクター貫入抵抗値との関係では, プロクター貫入抵抗値100psi程度から強度発現が明確となると同時に, 超遅延剤の使用に伴う影響が認められる. また, スライディングフォームL法での脱型所有初期強度の目安である1kgf/cm2が得られるのは, 超遅延剤の一般的使用量である0.3%程度では, プロクター貫入抵抗値は500psi程度にあたる. 3)圧縮強度とヤング係数(E1/3)の関係は、超遅延剤添加率0.2〜0.3%の場合では、概略で圧縮強度で1kgf/cm^2及びヤング係数で100kgf/cm2前後即ち、混練後約8時間程度を境として両者の相関関係が異ってくる。なお、良好な打継ぎの確保には、超遅延剤添加率0.2〜0.3%の場合ではスランプ15cmのとき落下貫入良3.5〜4.6cm、圧縮強度0.27〜0.38kgf/cm^<2>1(ヤング係数23〜25kgf/cm<2>ヤング係数14〜48kgf/cm2)と、超遅剤添加率による違いは低添加率ではさほど現われていない。
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