研究課題/領域番号 |
61550420
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
椎葉 大和 福岡大学, 工学部建築学科, 教授 (30103782)
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研究分担者 |
本田 悟 福岡大学, 工学部建築学科, 助手 (70181550)
大和 竹史 福岡大学, 工学部土木工学科, 教授 (90078650)
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キーワード | 超遅延剤 / 超高層RC造 / 富調合 / 高性能AE減水剤 / 済動化剤 / プロクター値 / 落下貫入量 / 水平量 |
研究概要 |
超遅延剤はセメントの主要部分を占めるC_3S表面に吸着して、水分子との水和反応を阻止させる作用を有している。従って、その作用を利用することによりコンクリートの打設に対しての各種の制約を緩和させる結果、施工効率が一層高められるとされている。 ところで最近、純粋のRC造で30階以上の超高層RC造が建設されるようになり、高性能AE減水剤や流動化剤を用いた富調合コンクリートによる高強度化が重要な問題となってきた。その場合に、富調合のコンクリートを用いた超高層RC造では耐久性の観点から超遅延剤の使用による打継目の改善が不可欠と考えられる。そこで、初期材令時の富調合超遅延コンクリートの物理的特性に関して次のようなことが認められた。 1)富調合超遅延コンクリートの物理的性質は全般にW/C30〜50%の範囲ではW/C35%を境として種々の特性値に変化が認められる。 2)一般的な流動性の測定方法であるコーンスランプでは、特にW/C30%の場合に短時間で急激なスランプ低下を示す。また、コーンおよびトーラムスランプによる経時的な低下傾向は比較的類似している。 3)現場での簡便な測定方法としての落下貫入量及び水平量(著者考案)試験を取り上げると、落下貫入量試験ではプロクター値との関係では超遅延剤添加率による影響はほとんど認められない。また、水平量試験はプロクター値と似かよった経時変化を示している。なお、コンクリートの打継限界をプロクター値20psiと設定するとき、W/C、超遅延剤の種類および超遅延剤添加率を含めて、概略値で落下貫入量の場合は2〜5cm、水平量の場合は5sec程度が目安と考えられる。 4)スライディング工法などの早期脱型を目安としての1kgf/cm^2の圧縮強度は、W/C30%ではプロクター値150psi以上、W/C35〜50%の場合は500psi以上が目安となる。
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