研究概要 |
1.レーザー光源による2次元的流れ断面の把握 レーザー光は直進性が良く、拡散が少ないが、光断面を2次元的につくるためには、スキャンニング・ガルバノメーター振子を利用しなければならない。しかし、スキャンニング,アングルを大きくとると、輝度の距離減衰が著しくなる。本研究では、スキャンニングアングルを大きくせずに、広範囲の2次元光断面を得るための工夫として、スキャンニング.ガルバノメーターの支持シャフトを回転させている。この操作によって、炭酸マグネシュムをトレーサーとする流れの可視化加可能になった。 2.上方開放模型空間の流れの様相 温度分布を有する空間において、外気温度に等しい室温の位置を中立軸とすると、それより上部は、外気との間に交換換気が行なわれ、下部については、安定した冷気の滞留域となる。 視観察によれば、侵入冷気は、その中立軸を越えないことが確認された。このことは、上方開放が、冷気滞留型空間にとって、不利にならないことを元唆している。 3.床冷房空間への適用成果事務所建物の基準階を床冷房した場合、閉じたケースよりも、上方開放にした方が、日中の除去熱量は若干増大するけれども、天井付近温度は低下して、温熱環境が向上することが分った。その温気の排出による除去熱は、床冷房熱量の1/7程度であるが、必要換気量の大部分を満している。上方開放は、自然エネルギーの有効利用の一つであることが確認できた。
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