研究概要 |
今年度の実績は以下のとおりである. 1.前期に1シート1建築書のファイルを分類・整理し, 問題点を明確にすることができた. 2.とくに分類については, ルネッサンス建築書という限定が必ずしも明確ではなく, 関連多ジャンルと重なり合う部分が少なくないため, それらをどう扱うべきかが, さらなる検討課題となった. 3.また, 当初の考えでは, 15・16世紀の建築書ということで作業をすすめてきたが17・18世紀のものも, 同一の伝統あるいは系統のものと考えるべきであり, その意味で, ルネッサンスという時代の限定についても検討して, 明確にしなければならない. 4.それとともに, これまで同様15〜18世紀の建築書をカバーしていくべきだと考えた. 5.夏期に, 海外調査のためローマ他に滞在することができたので, 現地で研究者と意見交換ができたのは幸いであった. 6.後期に入って, 関連の文献資料を調査することを通じて, ネッサンス建築書の全ぼうをそれなりに把握することができたように思う. しかし未だ不充分な点も多く, それは今後の調査にまたざるを得ない. 7.報告書の具体的検討に入った. 8.その場合, 15・16世紀のみならず, 17・18世紀にも通じる建築書の整理のためのフォーマットが必要であり, その作成につとめた. 9.さらに建築書をデータとして, コンピュータに入力するための具体的作業とその検討に入った. 10.報告書作成までには, まだ遠い作業の道のりがある. しかしこうした作業が完成すれば, 必らずや有益な成果物ができあがるであろう.
|