研究概要 |
より詳しく地下を知るための探査技術VSP(Vertical Seismic Profile)について、スカラー波動方程式の差分解法によるVSPモデリングを開発・作成し、これを用いて基礎的な研究を行った。VSP探査法は、従来の震源・受振器を地表に配置する地震探査法技術を応用したもので、震源は地表設置であるが、受振器を坑井内に設置して探査を行う。このため、反射以外に屈析,回析,透過等の現象が観測され、従来の探査法に比して、より夛くの詳しい地下情報が得られる反面、記録が複雑化し、且発振・受振の配置関係から、記録そのものの様相が全く異なったものになり、受振記録の解析,解釈が容易でないことが判明した。そこで先づ簡単な地下構造モデルを対象とし坑井近傍に震源を置くゼロオフセットVSPを行い、VSP特有の波の伝播挙動現象の解明,整理を試みた。その結果、VSP探査における複雑な波動の伝播・挙動現象ががなり解明でき、これらの方法が極めて有効であることが分かった。また坑井近傍のみを探査対象としたゼロオフセットVSPに比べて、震源を坑井から離して設置するオフセットVSPでは、より広範囲の地下情報が収集できる。一方波が時間の経過と共に伝播して行く様子は、各経過時間毎の画像を収録し動画再生することにより、より一層理解し易いことが判明した。これに加えS波も考慮したモデリング及びS波震源によるVSPについて検討中である。
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