本年度は、前年度までに行われたTiO_<0.32>、VD_<0.81>およびTaNo_<0.03>単結晶における中性子回析実験の結果を解析した。そして、それぞれの結晶について、侵入原子の局所的原子配列を表す単範囲規則度を評価した。結果のまとめを以下に記す。 1.TiO_<0.32>中の酸素原子の局所配列は、TiO1/3低温規則相中の酸素原子の配列に類似し、配列の相関はC軸方向により強く20〓以上に及ぶことが判った。また、酸素原子は最隣接対と第3隣接対で酸素-空孔対を、第2隣接対で酸素-酸素対を形成する確立が大きいことを明らかにした。 2.VD_<0.81>中の重水素原子の局所配列は低温規則構造(δ相)のそれに類似し、その配列には等方的に約4〓の距離迄の相関が認められる。また、重水素原子の回りの四面体格子間位置は空孔となり易く、第4隣接対において初めて重水素原子対が形成される確率が大きくなることを明らかにした。 3.TaN_<0.03>では小角領域(Q【similar or equal】0)においてラウエ散乱の10倍の強度が観測され、約10個の窒素原子がクラスターを形成していることが示され u『C 以上の結果を公表するために、英語による論文の作成を行っている。
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