研究課題/領域番号 |
61550472
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山口 貞衛 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (80005892)
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研究分担者 |
梶谷 剛 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80134039)
長谷川 雅幸 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (80005975)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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キーワード | 短範囲規則 / 侵入型合金 / 金属水素化物 / 中性子回折 / 中性子散漫散乱 / 固溶体のクラスタリング |
研究概要 |
本研究は、侵入型合金・化合物中の局所的な原子配列を中性子散漫散乱強度の解析より決定し、侵入原子間の相互作用に関する知見を得ること目的とする。従来、散漫散乱強度の解析により合金内の局所的原子配列を調べるための研究は主に置換型合金について行なわれ、侵入型合金における研究は数が少ない。侵入型合金では侵入原子の間の相関を表わすために複数の副格子を必要とする。それ故に、侵入型合金の散漫散乱強度の解析においては、置換型合金で行なわれている方法がそのまま適用できない。侵入型合金では研究の対象とするそれぞれの構造について散乱強度式を求め、それに基ずいて解析を行なう必要がある。本計画では、最密六万構造のTiO_<0.32>単結晶、体心立方構造のVD_<0.81>単結晶とTaN_<0.03>単結晶について中性子散漫散乱強度を測定し、侵入原子の局所的原子配列に関する知見を得た。研究成果のまとめを以下に記す。 1.TiO_<0.32>単結晶の中性子散漫散乱強度を解析し、短範囲規則度を評価した。TiO_<0.32>中の酸素原子の局所配列は、TiO_<1/3>低温規則相中の酸素原子の配列に類似し、配列の相関は、C軸方向により強く20〓以上に及ぶことが判った。また、酸素原子は最隣接対と第3隣接対で酸素-空孔対を、第2隣接対で酸素-酸素対を形成する確率が大きいことを明らかにした。 2.VD_<0.81>単結晶の中性子散漫散乱強度を解析し、短範囲規則度を評価した。VD_<0.81>中の重水素原子の局所配列は低温規則構造(δ相)のそれに類似し、その配列には等方的に約4〓の距離迄の相関が認められる。また、重水素原子の回りの四面体格子間位置は空孔となり易く、第4隣接対において、初めて重水素原子対が形成される確率が大きくなることを明らかにした。 3.TaN_<0.03>では、N原子のクラスターの存在を示す小角散乱が認められた。
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