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1986 年度 実績報告書

陽電子消滅法によるB2型規則合金における点欠陥の研究

研究課題

研究課題/領域番号 61550480
研究機関京都大学

研究代表者

中村 藤伸  京大, 工学部, 助手 (00026212)

研究分担者 白井 泰治  京都大学, 工学部, 助手 (20154354)
古川 弘三  京都大学, 工学部, 助教授 (50025871)
キーワードB2型規則合金 / 原子空孔 / 金-カドミウム合金 / 陽電子消滅 / 陽電子寿命 / マルテンサイト変態
研究概要

B2型規則合金・金属間化合物中での点欠陥(アンチサイト原子,原子空孔)の濃度の組成・温度依存性を明らかにすることを目的として、陽電子寿命測定とその多成分解析によって研究を進めている。
本年度はまず陽電子寿命の熱平衡測定装置を作製した。γ線の計測効率を落とさず、高温まで測定可能な外部水冷式真空容器および、板状試片,円筒状試片の測定ができるように、2種類の試片加熱・保持具を作成した。純Alを用いた予備実験の結果満足すべき性能が得られることが確認できた。続いて主目的のB2型規則合金として、Au-Cd合金(47.5at.%Cd,49at.%Cd)を選び熱平衡測定を行った。これらの合金は熱弾性型マルテンサイト変態(M変態)を行い形状記憶効果を示すことが知られている。
これまでに得られた主な成果は次の通りである。
1.Au-47.5%Cd合金では、原子空孔濃度はマルテンサイト相(M相)では低く、母相(P相)では高い。このためM相からP相への逆変態に伴って空孔濃度は急激に増加し、陽電子寿命は急に長くなる。空孔形成エネルギーとして、P相では【E(^F_V)】≒0.3eV,M相では【E(^F_V)】≧0.4eVを得た。普通の金属よりかなり空孔は形成され易く、数100℃では%オーダーの空孔が導入されることになる。これはB2型規則合金の特徴の一つであると思われる。
2.49%Cd合金では空孔濃度は47.5%Cdの場合よりも高い。
3.M相中では空孔はかなり動き難く、M変態時にP相からM相に取りこまれた空孔は熱平衡濃度にまで減少するのに非常に長時間を要する。これらの結果は申請者の導出した点欠陥の濃度評価式を用いて解析中である。現在、Cu-Zn合金を用いて、規則-不規則変態に伴う空孔濃度変化に注目して陽電子寿命測定を進めている。

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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