研究概要 |
昭和62年度は本研究期間3年の中間年にあたる. 当初の計画に従がって本年は次の研究を行なった. 1.セメントボンド非焼成ペレットの製造とその物理的, 化学的性質に関する実験的研究 セメント添加量の異なる非焼成ペレットを製造して, その強度ならびに被還元性に関する研究を行なった. その結果, セメント添加量は3〜4%で十分であること, 焼成ペレットと比較して被還元性が良いことが明らかとなった. 2.還元鉄製造プロセスのエネルギー評価の研究 還元鉄を製造するシャフト炉プロセスにおいて, 焼成および非焼成原料を用いた場合のエネルギー評価を, 実験データに基づき, エクセルギー解析の手法により行なった. その結果, 非焼成プロセスは, 原料の物理的性質に問題がなく, 所要エネルギーの少ないプロセスであることが明らかとなった. 現在, 溶融プロセスまで含めた製鉄プロセス全体の評価を進めている. 3.非焼成ペレット含有水分の乾燥に関する研究 非焼成ペレットは焼成のエネルギーを要しない利点を有しているものの, セメント結合および原料鉱石が保有している結晶水などのために水分を含有している. したがって, 乾燥のためのエネルギーを必要としている. 本研究では移動層によるペレットの乾燥実験と数学的モデルによる解析を行ない, 乾燥に要するエネルギーの評価を行なった. 以上の研究結果は, 研究発表に記述した論文課題で発表している.
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