| 研究概要 |
セラミック材料における結晶集合組織制御の基礎研究としてBaO-B_2O_3-Fe_2O_3, 3元系酸化物を急令凝固により非晶質とし, 熱処理によって生成する結晶相の集合組織をX線回折により測定した.
試料:今年度は35mol%BaO-47mol%B_2O_3-18mol%Fe_2O_3の酸化物フェライトを単ロール法及び金型急冷法により急速凝固させ, リボン状薄膜試料及び約1mm厚のバルク試料を作製した. 非晶質であることを確認し, 次のように2種類の結晶化熱処理を行なった. DTA示差熱分析により, ガラス遷移温度及び結晶化温度(T_<x1>およびT_<x2>)を求め, (1)Tx前後の温度で均熱処理を行ない, (2)バルク試料については赤外線瞬間加熱炉中で水冷銅板と加熱した金属の間にはさみ温度勾配下で結晶化処理を行なった.
実験項目:各試料のX線回折(同定・写真法・極点図測定), 光学顕微鏡観察, 偏光顕微鏡観察, 熱分析測定を行なった.
結果:[均熱処理]1)T_<x1>以上で準安定相(未同定)が, T_<x2>以上では, BaO B_2O_3が同定された. 2)作製した試料に集合組織が存在することが粉末試料との比較により示された. 優先方位としてリボン状試料は〜(100)[o1^^-o](写真法)が認められた. 3)光顕観察でBaO-B_2O_3の球晶が認められ, この球晶の寸法は熱処理時間に対し直線的に増加した. [温度勾配熱処理]1)バルク状試料では〜(1^^-O1)集積が認められた. 2)BaO-B_2O_3球晶が温度勾配に沿って伸びていた.
BaO-B_2O_3-Fe_2O_3系酸化物の薄膜リボン状及びバルク状非晶質試料を結晶化させ, 優先方位のある材料が得られた.
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