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1988 年度 実績報告書

溶接継手の高品質化のための溶接部の組織分布制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61550548
研究機関津山工業高等専門学校

研究代表者

大重 広明  津山工業高等専門学校, 教授 (90029158)

研究分担者 藤原 敏  津山工業高等専門学校, 助教授 (90110767)
キーワード溶接熱影響部 / 多層盛溶接 / 高張力鋼 / 靭性 / ミクロ組織
研究概要

溶接入熱及び開先角度が多層盛溶接熱影響部粗粒域に存在する低靭性部の存在割合に影響を及ぼすと考え、本年度は、この点について検討を行った。すなわち、60キロ級の高張力鋼の多層盛溶接継手を作製し、本研究で開発した疲労予亀裂長制御装置により粗粒域の種々の部分まで疲労予亀裂を導入した。ついでこのような試験片について計装化シャルピー試験を実施することにより粗粒域名部からの破壊の発生特性を調べた。
主な結果は次のようであった。
1.低エネルギーで破壊が発生する試験片と、高エネルギーで破壊が発生する試験片との二つのグループに明確に分離していたが、その割合は入熱によりあまり変化しなかった。しかし、入熱が低いほど両者のグループの試験片とも少し破壊発生エネルギーが増大した。これに対して、大入熱と小入熱とを交互に積層すると、このよう明確な分離はなく破壊発生エネルギーの低い試験片から高い試験片まで連続的に存在した。すなわち、低エネルギーを示す試験片の存在割合は減少した。
2.ビード断面における溶融線ならびにHAZ境界の輪郭をパソコンに取り込み、簡単な熱伝導式を用いて熱影響部における各組織の存在割合をシミュレーションにより検討したが、溶接条件の差による組織割合の顕著な差は認められなかった。
3.したがって、1.で示した現象は積層法により粗粒域中の組織の分布割合が変化するということよりも、後続ビードによる焼き戻し効果の影響が大きいものと推測された。よって多層盛溶接部の靭性向上には後続ビードによる焼戻し効果を含めて制御する必要がある。
4.開先角度が粗粒域の各部からの破壊の発生特性に及ぼす影響は本研究の範囲内では明確ではなかった。

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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