研究概要 |
高速液体クロマトグラフィーの高機能化を達成するためにはカラムと検出法及び試料の調製法について總合的な研究を進めなければならない。 (1)試料の調製法:高速液体クロマトグラフィーでは、化合物を高感度に検出するための試料の誘導体化がきわめて重要である。本研究では脂肪族ニトリル類を分析するためのミクロ電解を考案し、電解によって得られるアミンを蛍光誘導体に変換し、カラム分離後蛍光検出器によって高感度検出する方法を完成した。(分析化学誌に発表)また脂肪族アミンの微量を分析するため、ミクロ高速液体クロマトグラフィーについて研究した。微量試料を検出するためレーザーラマン光の1130【cw^(-1)】をモニター可能な、9nlの内体積をもつフローセルを試作した。このセルを用して、ミクロカラム中で分離される脂肪族アミンの一斉検出を可能とした。またラマン検出を効果的に行うための誘導体化についても研究した(Proceeding of I.C.C.Cで発表)。これらの誘導体化については国内外の文献調査を行い、比較研究を進め、その結果を"高速液体クロマトグラフィーにおける誘導体化法"として公表した。(ぶんせき誌に発表) (2)溶離液の静電噴霧する方法について研究開発を進め、新たに尖光検出器を試作した。この検出器は高速液体クロマトグラフィーの溶離液中に存在するイオウ化合物のみに応答するため農薬,医薬,環境などの分野への応用が期待できる。イオウを含む農薬を用いて尖光検出器の作動條件などの基礎検討を終了し、この結果を公表した。(日化年会で講演) (3)次にカラムについては、カラムスイッチング技術を開発し、6方高圧バルブを組み込んだイオンクロマトグラフを組立てて、無機陰イオンの一斉分離を研究した。
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