1.金属被覆セラミックス粒子の合成 【Al_2】【O_3】粒子(250μm)に結合剤としてポリエチレングリコールを、Ni粉体(5μm)に分散剤としてAl-ステアレイトを添加し、回転傾斜円筒型の造粒器中、60°〜85℃の温度で粒子を転動させることにより、溶融した結合剤によって【Al_2】【O_3】粒子表面にNi粉体が固定され、Ni被覆【Al_2】【O_3】粒子が合成できた。金属被覆量に対して結合剤添加量や金属仕込量の効果が大きく、造粒器の円筒傾斜角、温度、回転速度、回転時間の影響は小さいことがわかった。 2.金属被覆粉体の焼結特性 Ni被覆【Al_2】【O_3】粉体(Ni:40〜50vol%)を加圧成形後、【H_2】中、1400℃で焼成することにより、Ni粉体と【Al_2】【O_3】粉体を機械的に混合した場合に比べ、【Al_2】【O_3】粒子が金属マトリックス中により均一に分散した焼結体が得られることを確認した。しかし、【Al_2】【O_3】粒子がスケルトン構造を形成するため焼結体の相対密度が80%程度と低く、また【Al_2】【O_3】/Ni界面に多量の空隙がみられた。 そこで、平均粒径が0.6〜250μmの【Al_2】【O_3】粉体とNi粉体の混合物(【Al_2】【O_3】:10〜70vol%)の焼結特性を調べたところ、【Al_2】【O_3】の粒径が5μm以上のとき、焼結体の緻密化はNi粒子間の焼結によってのみ進行するので、【Al_2】【O_3】含有量の増加とともに焼結体密度が低下すること、一方、【Al_2】【O_3】の粒径が1μm以下のとき、【Al_2】【O_3】粒子間の焼結も起こるので、【Al_2】【O_3】含有量の増加とともに焼結体密度が増加することがわかった。さらに、Wで被覆した【Al_2】【O_3】粉体をNi粉体と焼結させると、【Al_2】【O_3】/Ni界面の空隙が減少し、Wが焼結助剤として有効であることがわかった。 今後、焼結助剤を添加したNi被覆【Al_2】【O_3】粉体を用いてNi-【Al_2】【O_3】系の焼結特性を明らかにし、さらに他の金属と【Al_2】【O_3】の複合体の製造についても検討したい。
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