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1986 年度 実績報告書

リン脂質薄膜の自励発振・負性抵抗・スイッチング

研究課題

研究課題/領域番号 61550596
研究機関徳島大学

研究代表者

吉川 研一  徳島大, 教養部, 助教授 (80110823)

キーワードLB膜(ラングミュア・ブロジェット膜) / 二分子膜 / チャネル / 電気的発振 / 興奮現象
研究概要

全体として、本研究は順調に進展し、当初予想されなかったものも含め、貴重な成果が得られつつある。以下、成果を箇条書きにして示したい。
1)リン脂質薄膜の製膜条件の確立,LB法を応用することにより、多孔質フィルター上に、リン脂質薄膜をはるための、実験条件を確立することができた。リン脂質薄膜を作る方法として、黒膜(BLM)法があるが、この方法では、(1)有機溶媒の混入した膜を得ることしかできない。(2)1【mm^2】以上の膜面積の膜を作ることは困難、(3)膜は不安定であり、数時間程度しかもたない、等の問題点があった。これに対して、今回の研究で得られるようになった、リン脂質LB膜は、上記の問題点を全て解決でき、数【cm^2】の大面積の安定な膜を得ることができる。
2)膜のキャラクタリゼーション。上記の方法で得られた膜を、電子顕微鏡を用いて観測したところ、多孔質フィルター上に、均質なリン脂質薄膜がはれていることを確認することができた。さらに、インピーダンス測定を行なったところ、リン脂質膜の膜厚の増大に伴い、膜の電気容量が減少することがわかった。これらの事実は、リン脂質LB膜が安定、かつ均質に存在していることを意味している。
3)膜の発振条件の探索。ジオレオイルレシチンを用いたLB膜は、膜の左右両層間のイオン組成を変えることにより、自発的な電気的発振を起すことがわかった。同様な実験結果は、黒膜やピペットクランプ膜についても得られた。さらに、この自発的な発振に伴う電気伝導度の変化を測定したところ、20〜100PSの変動が生じていることも明らかとなった。この結果は、リン脂質だけでも、チャネルの機能を発現することができることを示したものとして、重要な成果となっている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Ishii;K.Kuroda;T.Omochi;K.Yoshikawa: Langmuir. 2. 319-321 (1986)

  • [文献書誌] K.Yoshikawa;T.Omochi;Y.Matsubara: Biophysical Chemistry. 23. 211-214 (1986)

  • [文献書誌] K.Yoshikawa;T.Omochi: Biochemical and Biophysical Research Communications. 137. 978-983 (1986)

  • [文献書誌] K.Yoshikawa;T.Omochi;Y.Matsubara;H.Kourai: Biophysical Chemistry. 24. 111-119 (1986)

  • [文献書誌] K.Yoshikawa;S.Nakata;T.Omochi;G.Collacico: Langmuir. 2. 715-717 (1986)

  • [文献書誌] 吉川研一: 生物物理. 27. 17-21 (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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