研究課題/領域番号 |
61550662
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮本 武明 京大, 化学研究所, 助教授 (60027050)
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研究分担者 |
鈴木 秀松 京都大学, 化学研究所, 助手 (00027054)
浅田 忠裕 京都大学, 工学部, 助教授 (10025934)
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キーワード | セルロース / セルロース誘導体 / ハイドロキシエチルセルロース / ヒドロキシプロピルセルロース / オキシエチレン鎖 / 長鎖アルキル基 / 結合様式 / サーモトロピック液晶 |
研究概要 |
セルロースの側鎖に屈曲性に富む置換基を導入し、置換度(DS)及び置換基の化学構造とサーモトロピック液晶形成能との関係を検討し、以下の成果を得た。 1.長鎖アルキル基をエステル結合で導入した誘導体Cell-OCO【(CH_2)_n】【CH_3】(DS≒3)は、n=3で融点は130℃にまで低下するが、n=4でも明確なサーモトロピック液晶の形成は観測されない。n=5〜10では、融点付近の狭い温度範囲で液晶性を示すようになり、n=14になると広い温度範囲(にわたってサーモトロピック液晶を形成するようになる。 2.DS=1,モル置換度MS=2のヒドロキシエチルセルロース(HEC)にエステル結合でアルキル基を導入し、サーモトロプック液晶形成に及ぼすオキシエチレン鎖の効果を検討した結果、いずれの誘導体も広い温度範囲にわたって液晶を形成し、オキシエチレン鎖はセルロースのサーモトロピック液晶形成という観点からは非常に有効であることがわかった。 3.ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を出発試料とし、これに種々の結合様式でアルキル基で導入し、液晶形成に及ぼす結合様式の影響を検討した結果、結合様式の違いによって液晶形成挙動は非常に異なることが分った。 4.常温でサーモトロピック液晶状態を呈するHPCのプロピオン酸エステル誘導体を試料とし、そのレオロジー的性愛を明らかにした。すなわち、定常流動の粘度曲線は典型的な高分子液晶の示す3つの領域よりなることが明らかとなった。
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