研究概要 |
連続式スクリュー圧搾の基礎理論の検討および操作の高性能化を目的として、広範な固体濃度の固液系混合物のレォロジー特性の測定により適したスクリューレオメーターの開発とその測定,並びに難脱水性物質の連続圧搾特性の測定を行い、次の結果を得た。 1)スクリューレオメーターによる測定 含液率が比較的大きい軟弱な固液系混合物から低含液率で半固体状を呈する固液混合物までそのレオロジ一特性の連続測定ができるスクリューレオメーターを試作し、現有の一軸式スクリュー圧搾装置の排出端に連結して脱水した試料をレオメーターに送込み、レオメーターにおける圧力分布,押出し流量および所要動力を測定しレオロジー特性の決定法を求めた。本装置は、スクリュー主軸とレオメーター主軸を独立した2台の駆動装置を用いて各々異なった回転速度で操作でき、回転速度の適切な組合せによってカオリンーフイルターセル等重量混合スラリーの場合、固体濃度で70%程度の半固体状原料のものまで測定可能なことが明らかとなった。更に、種々な固液混合物についてその測定方法の可能性を探索する。 2)難脱水性物質のスクリュー圧搾特性 通常の試料と圧搾特性が著しく異なる難脱水性物質の圧搾分離特性を明らかにした。スクリュー式ダイを設置したスクリュープレスを用いて連続圧搾を行い、スクリュー溝に発生する圧力分布,押出し流量および出口濃度とスクリューダイの回転速度との関係を測定した。また、回分式の圧搾試験装置を使用して定圧々搾を行い、連続圧搾過程の解析に必要な圧搾特性値を求めた。従来の圧搾原料では、圧搾圧力を増加させると、圧搾速度を支配する特性値が増加するが、本実験試料では圧搾圧力の増加とともに次第に減少する傾向を示すことを明らかにし、圧搾圧力との関係を求め得た。
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