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1986 年度 実績報告書

酵母におけるオルガネラ(ペルオキシゾーム)形成機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61550723
研究機関京都大学

研究代表者

田中 渥夫  京大, 工学部, 助教授 (80026088)

研究分担者 園元 謙二  京都大学, 工学部, 助手 (10154717)
植田 充美  京都大学, 工学部, 助手 (90183201)
キーワード炭化水素資化性酵母 / Candida tropicalis PK233 / ペルオキシゾーム / エノイル-CoAヒドラターゼ / 3-ヒドロキシアシル-CoAデヒドロゲナーゼ / 二頭酵素 / 脂肪酸β-酸化系の進化
研究概要

1.炭化水素資化性酵母Candida tropicalis pK233は、炭素源の変換によってペルオキシゾーム(Ps)の発達を容易に制御できる。Pre-existingなPs(G-Ps)の存在するグルコース生育菌および未発達なPs(P-Ps)の存在するプロピオン酸生育菌よりそれぞれのPsを分画単離できる方法を確立した。酵素免疫学的手法により解析した結果、G-Psにはイソクエン酸リアーゼとリンゴ酸シンターゼが含まれ、P-Psにはこの両酵素が他の酵素に比べて高い割合で含まれていることがわかった。また、電子顕微鏡写真の結果より、G-Psは非常に電子密度が低く、P-Psは膜に特徴的に電子密度が高いことが判明した。
2.誘導合成および局在化の顕著に現われる酵素として脂肪酸のβ-酸化系を構成するエノイル-CoAヒドラターゼ(ECH)と3-ヒドロキシアシル-CoAデヒドロゲナーゼを精製した。この2つの酵素は105Kdからなる同一のペプチド上に存在する二頭酵素であることが、細胞分画で得たPsを含む顆粒画分から各種のプロテアーゼ阻害剤を用いた精製法によって証明できた。一方、全菌体よりECHのみの活性をもち、サブユニットの分子量が36Kdの酵素を精製した。二頭酵素を種々のプロテアーゼを用いて消化し両活性を追跡したところ、α-キモトリプシンはECH活性にほとんど影響を与えずに3-ヒドロキシアシル-CoAデヒドロゲナーゼ活性のみを失活させ、しかもSDS-PAGEでは、36Kdの分子量をもつペプチドフラグメントが出現することがわかった。これは、細胞内のプロテアーゼによって二頭酵素より由来したものであることが判明し、二頭酵素の中に機能的に独立したECH活性部位が存在することが強く示唆され、酵母β-酸化系の進化を考えるうえで、重要な知見を与えた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 植田充美: 日本生化学会学会誌. 58(8). 611 (1986)

  • [文献書誌] 植田充美: 農芸化学講演要旨集. 62. 76 (1987)

  • [文献書誌] Mitsuyoshi Ueda: Agric.Biol.Chem.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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