研究概要 |
62年度は葉身の光合成産物の根への転流と根の活力との関係を明らかにすることを目的として研究を進めた。出穂後の葉身の葉位を上位からB,(止葉),B_2,B_3,B_4とし、これらを穂揃期に葉位別に剪除した結果、B_3,B_4の剪葉によって"うわ根"の酸化能力が減少することを認めた。 "うわ根"とは田面に近いごく浅い層に分布する根であり、通常は出穂後に発達が促されるものである。この"うわ根"の量に対しても剪葉の影響を認めることができた。すなわち、B_3,B_4を穂揃期に剪葉することによって、"うわ根"の量に減少が認められたのである。 以上の二つの事実を総合することによって、登熟期にはB_3,B_4という下位葉の光合成産物が"うわ根"に転流され、その発育と活力維持に貢献していると結論することができる。 63年度は"株直下伸長根"の役割についての研究に重点を置いて計画を進めたい.
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