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1986 年度 実績報告書

カキ"西村早生"のヘタ片枯死と渋果発生障害に関する生理・生化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61560030
研究機関岐阜大学

研究代表者

中村 三夫  岐大, 農学部, 教授 (90021683)

研究分担者 福井 博一  岐阜大学, 農学部, 講師 (20183585)
キーワードカキ / 花粉の発芽 / 授精 / 胚嚢の発育 / 組織培養
研究概要

西村早生の渋果発生の原因として種子形成度合の低いことがあげられる。
1.一花当り花粉量は禪寺丸と実生系の仮称「林柿」が最も多く、岐阜県獎励品種のサエフジはその半分、赤柿と西村早生は約1割で最少であった。西村早生に人工授粉して24時間後の花粉管の伸長状況は、林柿は花粉管が4本子房内に達しており、花柱内にも多数観察され、最良であった。赤柿はこれに続き、禪寺丸とサエフジは花柱内だけで多数観察された。西村早生は花柱上部に若干数観察されただけで不良であった。以上の結果に開花期を合わせて、由来不明だが実生系の「林柿」が西村早生の授粉樹に最適であろう。
2.西村早生に西村早生が自家授粉された後、禪寺丸花粉が人工受粉された場合、花粉管が順調に伸長できるか否か調査した。禪寺丸花粉管の花柱内への伸長は無いと思われる結果であり、桂頭上でもほとんど花粉発芽は観察されなかった。実験方法を変えて再検討してから結論をだしたい。
3.西村早生の子房の胚嚢の発育を経時調査した。胚嚢の外形生長は胚嚢母細胞の4細胞期(極体消失期),胚嚢母細胞形成期から胚嚢完成期,すなわち開花10日前頃から4日前頃にかけて急激に発育する。この時期に胚嚢が崩壌するような異常胚嚢が数観察され、一子房当り8胚珠のうち、少なくとも平均2個は異常、退化することが明らかとなった。西村早生は花粉だけでなく、胚珠にも欠陥があり、種子形成に障害となると思われる。
4.ヘタ片枯死障害については材料が不十分であったので、再調査する。
5.優良系統作出のため、種子に関係のない生物工学的基礎実験を実施した。茎頂培養は1/2MS培地にゼアチン【10^(-5)】M添加が最も良好であった。葯培養ではNitsch培地にNAAとカイネチンを【10^(-7)】〜【10^(-6)】M添加すると良質の白色カルスが形成された。プロトプラスト単離条件や葉身からのカルス形成などについても最適条件を見出した。

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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