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1986 年度 実績報告書

土壌伝染性ウィルスの菌伝搬性支配遺伝子に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61560045
研究機関東北大学

研究代表者

白子 幸男  東北大, 農学部, 助手 (90143023)

キーワード土壌伝染性ウィルス / 一本鎖RNAウィルス / 欠失変異株 / 無細胞蛋白合成
研究概要

土壌伝染性ウィルスは、我国をはじめ世界各国の重要作物に感染し、多大な被害を与えている。ウィルスの伝搬機構の解明は、有効な防除法を確立する上での重要な基礎的研究だが、媒介菌が絶対寄生菌である為実験が困難で、伝搬機構の詳細は不明である。本年度は、土壌伝染性ウィルスのゲノム上に菌伝搬性支配遺伝子を同定する為の基礎的実験として、下記の実験を行った。
1.Polymyxa graminis菌伝搬性ムギ類萎縮ウィルス(SBWMV)
(1)SBWMV野生株(WT)をコムギで継代し、RNA2の欠失した変異様(DM)を作出した。
(2)各RNAを無細胞蛋白合成系で翻訳し、以下の結果が明らかとなった。(【i】)RNA1(2.37×【10^6】)は220Kの単一の蛋白の遺伝子を持つ。(【ii】)野生株RNA2(1.23×【10^6】)は5´末から外被蛋白(19K)とそのリードスルー産物(25Kと100K)の遺伝子を持つ。(【iii】)変異株RNA2(0.72×【10^6】)は5´末から外被蛋白とそのリードスルー産物(25Kと31K)の遺伝子を持つ。(【iv】)野生株RNA2から変異株RNA2への欠失部位は25K遺伝子と3´末間にある。
2.Polymyxa betae菌伝搬性テンサイそう根病ウィルス(BNYVV)
(1)BNYVV・S5株とG1株のRNAを無細胞蛋白合成系で翻訳し、以下の結果を得た。(【i】)RNA1(2.3×【10^6】)は240Kの単一の蛋白の遺伝子を持つ。(【ii】)S5・RNA2は5´末から外被蛋白(20K)とそのリードスルー産物(85K)の遺伝子を持つ。(【iii】)G1・RNA2(1.4×【10^6】)は5´末から外被蛋白とそのリードスルー産物(50K)の遺伝子を持つ。
(2)ウィルス粒子の増殖にはRNA1とRNA2が必須であり、RNA3はツルナにおける黄斑形成を、RNA4は病斑の小型化をもたらすと考えられた。
以上の結果より、SBWMVとBNYVVは同様の遺伝子構成を持ち、菌伝搬性試験のモデルに適すると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 白子幸男: Journal of General Virology. 67. 1237-1245 (1986)

  • [文献書誌] 白子幸男: 日本植物病理学会報. 53. (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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