1.植物病原糸状菌のアナモルフ-テレオモルフ関係の解明とその利用:イネ科植物葉枯病菌を含む植物病原菌のアナモルフ-テレオモルフ関係を整理・考察した。培地上における子のう胞子形成条件と分生子形成条件を比較し、その問題点を指摘した。コショウ樹ネクトリア病の伝搬が子のう胞子飛散によることを示した。 2.ポリオキシン耐性トウモロコシごま葉枯病菌の作出とその遺伝子解析:突然変異誘内剤処理を行ってポリオキシン耐性株を得た。野生型感受性株との交雑子孫子のう胞子には、耐性株と感性株が1:1に出現した。従って、本耐性は染色体上の一主動遺伝子に支配されているものと考えられた。既に遺伝子座を同定した各メラニン生合成糸欠損遺伝子保有株と交雑して、子のう胞子分析を行った。この結果、遺伝子PolはAlb1、Scy、Brn、Pgrとの間に明確な連鎖関係をもっていないと考えられた。 3.遺伝子Pgrの支配する酸素:野生型株とPgr遺伝子をもつ変異株の可溶性蛋白質画分を用いて検討中である。 4.本プロジェクトの取りまとめを行った。
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