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1986 年度 実績報告書

高等植物の分裂組織における亜鉛の生理的役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61560073
研究機関三重大学

研究代表者

小畑 仁  三重大, 農学部, 助教授 (70024594)

研究分担者 梅林 正直  三重大学, 農学部, 教授 (90024538)
キーワード重金属元素の生理的役割 / 亜鉛 / 高等植物の分裂組織 / タボコ培養細胞 / リボソーム / メッセンジャーRNA / タンパク代謝
研究概要

1.亜鉛欠除処理が水稲分裂組織の核酸に及ぼす影響 著者らは、亜鉛欠乏の水稲分裂組織においてタンパク含有率が顕著に低下すること、又タンパク含有率の低下に先立って80Sリボソーム含有率が低下すること、をすでに明らかにしている。このリボソーム含有率の低下がrRNAの低下によるものか否か検討するために、又同時にmRNAを分離することによりその諸性質を調べるために、亜鉛欠除下で栽培し欠乏症が認められ始めた直後の水稲の分裂組織を供試し、核酸を抽出して、オリゴ(dT)セルロース-セファデックスG-75-セファロース4Bを直結したカラムにより、一度にmRNA、rRNA、tRNAの分離を行った。その結果タンパク含量に顕著な低下の認められる段階になっても、これらのRNAの含有率には著しい差のないことが認められた。又文献的にmRNAに変化の出ることが予測されたが、mRNAの量には顕著な差異は認められなかった。これらの結果より今後(1)リボソームの解離の点から(2)翻訳段階におけるmRNAの役割の点から、さらに検討する必要があるものと考えられる。2.亜鉛欠除処理がタバコ培養細胞のタンパク合成に及ぼす影響 植物体内においてヘテロトロフィックな部位である分裂組織と同様なエネルギー代謝を営む培養細胞を用い、亜鉛欠乏がタンパク合成に及ぼす影響について検討した。(1)亜鉛欠乏により生育抑制の認められ始めたタバコ培養細胞を用い、タンパク含有率及びリボソーム含有率について検討した所、ほぼ同時に両者とも顕著に減少することが認められた。(2)タンパクの種類に及ぼす影響について電気泳動パターンより検討した所、欠除区も対照区とほとんど同じパターンを示し、亜鉛欠乏によりタンパクの量は減少するが、その組成には大きな変化のないことが認められた。これらの結果は水稲の分裂組織で認められている結果とほぼ同様で、培養細胞は植物の分裂組織のモデルとして用いうるものと考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 北岸確三: 三重大学環境科学研究紀要. 11. (1987)

  • [文献書誌] H.Obata: Soil Sci.Plant Nutr.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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